買い物狂いの忘備録

40代の物欲にまみれたオッサンの忘備録です。ミリオタ、ガンオタ、あと洋服の事など忘備録的に書いてます。

SEALベストとSEALコートのお話

 ベトナム戦争中、米海軍特殊部隊SEALが使っていたシールズベストとシールコートのお話をしようと思います。
インターネットが無く、情報がすべて洋書からしか得られなかった時代。
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 ERDL迷彩ジャケットにマガジンポーチが縫い付けられている写真を見て、洋服と装備が一体化したSEALコートの先進性とそれを活用するSEAL隊員にあこがれたものです。
ネット時代に入り、写真も鮮明なものが出回るようになり、迷彩服の上から弾薬を入れたベストを隊員が重ね着している事に気が付いたのです。
さてそんなこんなで先日面白い資料を入手したので、自分の記憶整理の一環としてSEALベストとコートについて書こうと思います。

 最初のSEALチームは1966年、メコンデルタ地帯で活動するベトコンを掃討するために、アメリカからベトナムへ配備されました。
河川海軍から深部偵察部隊に割り当てられ、マングローブ林や湿地が広がるランサット特別地区や複雑に交差した川や運河に展開しましたが、デルタ地帯は共産主義者やその支持勢力にとって理想的な聖域でした。
*ここらへんは先日書きましたSEALの歴史を参照
 掃討が困難だったため南ベトナム軍はデルタ地帯を事実上放置していました。
しかしアメリカ軍が展開したので、敵の活動は困難になるだろうと予想されました。

 NAVY SEALsは1962年、水陸両用のコマンド作戦を行うために設立されました。
1966年、SEALの戦闘ドクトリンはまだ確立しておらずまだ経験の浅いため、ドミニカ共和国と南ベトナムの軍事顧問として活動しました。
 デルタ地帯での戦闘が激化するにつれ偵察だけでなく襲撃や待ち伏せ、敵の捕虜をとるなどSEALの任務は拡大していきました。
こうしてSEALの役割が拡大していくにつれ、彼ら専用の装備が必要という事が明らかとなりました。
こうして専用に開発された特殊なアイテムの中でSEALは"Coats,AmmunitionCarrying.Buoyant,and Bladder”として知られる、弾薬運搬ジャケットを採用します。

問題点

 一般的に、SEAL隊員は服や装備に関しては放任されていました。個人的に最良の物を選ぶのがルールでした。
これはジーンズや捕獲したベトコン装備も含め、いくつかの奇妙な組み合わせとなりました。
しかし一般的には、迷彩戦闘服、装備、およびUDTライフプリザーバーから成っていました。
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*UDTライフプリザーバーは1960年代から現在に至るまで、基本的に形は変わってません。UDT/SEAL隊員愛用の緊急用浮き袋ですね。

 これらは適切な装備でしたが、ベトナムでの作戦行動に合わせ装備を改善する努力が続けられました。
よく知られているのがデルタ地帯に生えている植物で、装備やベストに絡みつく「ちょっと待った蔓草」でした。「ちょっとまった蔓草」が絡まりつき行軍のペースを落とし余計な雑音を出す原因となりました。
*ちょっとまった蔓草を知りたい方はJ・C・ポロックの小説を読んでみようw

「黒手」として知られているトゲのついた植物は、UDTライフプリザーバーに穴を開けよくパンクさせました。
 またUDTライフプリザーバーはよく目立ち、SEAL隊員が着用している迷彩服とは対照的に胸の部分を目立たせ敵の狙撃手に狙いをつけやすくさせてしまい、プリザーバーのCO2カートリッジと空気を吹き込むチューブ口が塗装をしていない金属だったため太陽に反射して輝いてしまいました。
 ほとんどの作戦行動は河川や沼を泳ぐことが多かったので、重量のある綿製の陸軍の標準的なM-56装備は大量の水を吸ってしまいました。
一旦水に浸かると装備が当たる体の部分が擦りむけてしまい非常に不快なものでした。
さらに一度濡れてしまったM-56装備はなかなか乾きません。それも装備の重さを着用者の腰に集中させてしまい兵士を弱らせてしまう原因となりました。
 兵士が一度に運ぶ荷物(弾薬等)を増加しなおかつ装備の着用を快適にし、体にかかる装備の増加した重量を分散させるためにいくつもの方法が模索されていました。
この浮き袋を内蔵したベストは、これらの要望をふまえ設計されました。
 SEALが開発した解決法とは、浮き袋を内蔵し胸と腕と背中にマガジンポーチをつけたカモフラージュベストでした。ですが浮き袋入りの被服についてのアイデアはまったく新しいというわけではありません。
 第二次世界大戦のイギリスではCOPP(Combined operations Assault Pilotage Parties)として知られている海岸偵察チームのために、特殊な浮き袋入りの防水スーツを開発していました。
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*第二次世界大戦中、敵ドイツ軍が防衛する海岸偵察や、カヌーを使用して味方上陸用舟艇を誘導するなどの危険な任務をこなしていた部隊である。

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COPPスーツは浮き袋を内蔵し弾薬や機材を入れるポケットを持っていました。COPPスーツの設計はSEALがジャケットを設計する時に参考になったかもしれません。

SEALベストの説明

 SEALベストのオリジナル版はいくらか複雑でした。外側は大幅に改造された迷彩ベストでした。
フロントボタンは、フラップ付きの4つの真鍮スナップに取り換えられました。
 胸ポケットの代わりにM16の20連マガジンを2本づつ収納できる、左側に3つ右に1つのマガジンポーチが付けられました。
ポーチはベルクロの付いたタブで閉じられ、水中から上陸した時のために水抜きの穴をポーチの底に付け、マガジンに水が溜まらず乾くように作られました。
 マガジンを迅速に抜けるようにナイロン製のタブがポーチの中に取り付けられました。
同様のマガジンを2本収納できるポーチは両肩に縫い付けられ、あと2つは上腕の三角筋の上に配置しベルクロのベルトで上腕に固定されました。
 首の後ろに救急キットを取り付けるようにナイロンのタブやひもを取り付けました。
浮き袋をジャケットに出し入れする切れ込みは、背中の下の方にありました。
 両腕を自由に動かし武器の取扱いをスムーズにするため、特別なプリーツが肩の後方に縫い付けられました。
ジャケットの横は脇の下から開いたままにしてありナイロンループとナイロンコードで3か所、前面と後面を接続しています。
この配置はふくらました浮き袋をしぼませやすく、体にジャケットがフィットするように考えられました。
腰に標準的なピストルベルトを巻くためのループが取り付けられ、ジャケットの内側の内貼りの布は浮き袋を収納します。
 左フロントパネルの内側にCO2カートリッジと経口膨張チューブが収められました。
パッドが、着用者の負担軽減のためCO2カートリッジ用開口部の上に縫い付けられました。
ジャケットのベルトループの横に開いた穴にトグルがあり、そのトグルに接続してある装置によってCO2装置は作動する事ができました。

このジャケットの利点は、3つのアイテムを1つに統合したという事でした。

○緊急用浮き袋をカモフラージュベストに内蔵した。
○重量が胸の部分(上半身)に再配分された。
○水を泳いで渡らなければならなかった時、比較的快適であり弾薬を乾いた状態で保持できた。


事でありました。
 このオリジナルベストはSEALで働く民間請負業者で製造され、特別なSEALの予算で購入されました。
ベストはすぐに実戦で使われテストされました。多くのSEAL隊員は短期間の作戦行動や夜間の待ち伏せや襲撃などに最適と評価しました。
数ヶ月のテストの後良い評価を受け、ベストを更に改良し標準化された生産をするためにナティック研究所に送られました。
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 ここでSEALベスト単体の写真が無い、本当にないので、自分が持っているリプロ品のSEALベストを撮影してみました。
数年前にいつもお世話になっておりますアドバイザーさんから購入したリプロSEALベストですが、かなり実物に近いと出来という事でこれで説明を補足させてもらいます。

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 迷彩効果を高め、ライフプリザーバー(浮き袋)を収納するためにERDLリーフパターン迷彩でベストは作られております。
右胸にM-16の20連マガジンを2本収納できるマガジンポーチが1個、左胸に同じマガジンポーチが3個縫い付けられています。
脇は切り離され、3か所ループと紐で固定されております。
これで使用者の体格にフィットさせる事が可能となります。
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両肩に同じく2本マガジンが収納可能なポーチが一個づつ取り付けられ、腕への固定はベルクロテープで巻いて行います。

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首の後ろにメディカルポーチを取り付けるためのフックがあり、両肩に同じくマガジンポーチが取り付けられます。
腰の所にピストルベルトを巻くためのベルトループが縫い付けられ、ベストに水筒やマガジンポーチが取り付けられるように工夫されました。

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左胸内側に、浮き袋を膨らませるためのCO2カートリッジと口で浮き袋を膨らませるための吹き込み口があります。
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写真は実物のSEALコートですが、だいたい分かって頂けたでしょうか。

このベストでM-16の20連マガジンを16本、320発携行可能という事ですね。


To be concluded
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